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“had better” を正しく使おう!「〜した方がよい」の英語表現

“had better” を正しく使おう!「〜した方がよい」の英語表現

「このビール、すごく美味しいから飲んだ方がいいよ!」

このように、何かを薦める際に使う「〜した方がいいよ」という表現。“had better” ばかり使っていませんか?

確かに「〜した方がいい = had better」と学校のテスト勉強で暗記した記憶がありますが、実は全ての「〜した方がよい」に “had better” が使えるわけではありません。

特に、冒頭に出てきたような美味しいものを友達に薦める「飲んだ(食べた)方がいいよ」という表現では、別のある単語を使います。

その単語とは一体何なのでしょうか?
これまで “had better” ばかり使っていた人は、この機会に使い分けもしっかりマスターしておきましょう!

“should” で表す「〜した方がいいよ」

「した方がいいよ」をshouldで表す

“had better” 以外で、日常会話の中でとってもよく使われる「〜した方がいい」を表す単語は “should” です。

でも「should = 〜すべきである」と覚えている人も多いのではないでしょうか?
美味しいビールを “You should try this.” と薦められたら、「君も飲んでみる(試してみる)べきだよ」という訳が頭の中に浮かぶかもしれません。
素敵なBarを教えてもらった時に “You should go.” と言われると、「君も行くべきだよ」と受け取ってしまうかもしれません。

こんなふうに「should = 〜すべき」と理解していると、強制されているような強い口調に聞こえてしまいますが、実はそうではないんです。

日常会話で使われる “should” は、ちょっとしたアドバイスやオススメ、または意見を言うぐらいの「〜した方がいいよ」の意味で使われることも多くあります。そして、このような場合に “had better” は使われません。

美味しいビールや素敵なBarを誰かに薦める場合に、次のようには言わないのです。

  • × You'd (=You had) better try this.
    (◎ You should try this.)
  • × You'd (=You had) better go.
    (◎ You should go.)

それでは、“had better” も同じように「〜した方がいい」と訳されるのに、なぜオススメする場合には使われないのでしょうか?
その理由を知るために、まずは “had better” の意味を改めて紐解いてみましょう。

“had better” の本当の意味・使い方とは?

had betterの本当の意味と使い方

ネイティブが “had better” を使うのは、《そうしなければ何か問題や危険が発生する》場合の「〜した方がいい」というとき。もう少し分かりやすいように、4つの例文で検証してみましょう。

【例文1】
It's pretty icy out there. You'd (=You had) better be careful.
「外は凍ってるから注意した方がいいよ」

冬の寒い日、外の地面が凍りついているシチュエーションを想像してみてください。歩く際、もしくは車を運転する際には気をつけないと、滑って転んだり事故を起こしたりしてしまう可能性があるので、“had better” が使われます。

【例文2】
You'd (=You had) better go to the doctor.
「お医者さんに行った方がいいよ」

体の調子が悪そうな人に “had better” を使ってこんなふうに声をかけるときは、お医者さんに行かなければ病気やケガが治らなかったり、悪化してしまうよというニュアンスを含んでいます。

【例文3】
I'd (=I had) better go now.
「そろそろ行った方がいいな(そろそろ行かなくちゃ)」

周りの人よりも先に帰りたいときや、先に退席したいときに使う「そろそろ行かなくちゃ」は、他にも

  • I have to go now.
  • I gotta go now.
  • I should get going.

など様々な表現があります。
その中でも、“had better” を使って

  • I'd better go.
  • I'd better get going.

と言う場合には、もう行かないと電車に乗り遅れてしまったり、次の予定に間に合わなかったりと、何かしら問題が発生してしまうニュアンスがあります。

【例文4】
I'd(=I had) better get back to work.
「仕事に戻ったほうがいいな(仕事に戻らなきゃ)」

例えば、海外のカフェで店員さんと話をしているときに、店員さんが「そろそろ仕事に戻らなきゃ」と話を切り上げるときにこのフレーズを使います。その他にも仕事中の人が仕事の手を止めて誰かとおしゃべりしていて「仕事に戻らなきゃ」と言うシーンでよく使われるフレーズです。

これも “had better” を使うことによって、「そろそろ仕事に戻らないとマズいことになる」といったニュアンスを感じさせます。

なぜオススメするときに “had better” は使えない?

オススメする時にhad betterは使えない

ここで、最初にご紹介した “should” を使った例文に話を戻しましょう。

美味しいビールを友達に薦めるときの “You should try this.” と、素敵なBarを教えてもらったときの “You should go.” という2つの文章がありました。これらの「〜した方がいい」は “should” を使っていますが、“had better” に置き換えることはできるのか検証してみましょう。

“You'd better try this.” の場合

このように美味しいビールを友達に薦めると、どんなニュアンスになるのでしょうか?
念のためにもう一度おさらいすると、“had better” の「〜した方がいい」は《そうしないと何か問題や危険がある》がポイントでしたよね。
この場合、薦められたビールを飲まなければ何か問題が起こったり、危険が発生したりするでしょうか?

ほとんど場合、そんなことはないですよね。したがってここで “had better” を使うと不自然になってしまいます。

“You'd better go.” の場合

上と同じ理由から、素敵なお店を人に薦めるときに、このような言い方がしっくりこないことはもうおわかりかと思います。
これも、オススメしている人は自分の意見として言っているだけなので、オススメした店に相手が行こうが行くまいが、何も問題は起こりませんよね。

こういった「そうしなくても何も問題や危険がない」ような、自分のオススメの物・ことなどを伝える「〜した方がいい」には、“had better” ではなく “should” を使います。

“had better” のワンパターンから卒業しよう!

had betterのワンパターンから卒業しよう

“had better” と “should” のニュアンスの違いは掴めましたか?

日常の会話の中で、ちょっとした自分の意見やアドバイスを伝える「〜した方がいいよ」には “should” がよく使われますが、それも納得ですよね。言われた通りにしないと何か問題が起こるようなケースは、それほど頻繁にあるわけではありません。

これまで「〜した方がいい」と言うときに全て “had better” で表現していた方は、ぜひ今日から早速 “should” も使ってみてくださいね!

 

【細かなニュアンスもしっかりマスター!】